ReportLabを使用すると、Pythonを使用してPDFの指定位置に円や楕円を挿入することができます。
本記事では、ReportLabを使用した、PDFの指定位置に円・楕円を描画する方法について、詳しくご説明します。
ReportLabとは
ReportLabは、Pythonを使用してPDFを操作するための外部ライブラリの1つです。
PDF操作用ライブラリは他にも、PyPDF4やPDFMinerなどいくつか存在します。
それぞれのライブラリの用途は、以下の通りです。
ライブラリ | 用途 |
---|---|
ReportLab | ・PDFの新規作成 |
PDFMiner | ・テキストの抽出 |
PyPDF4 | ・画像の抽出 ・PDFファイルの結合や分割 ・しおり(目次)の追加 |
本記事では、ReportLabによる、PDFの指定位置に円・楕円を描画する方法をご紹介します。
ReportLabのインストール
「ReportLab」は、以下コマンドを入力することで、インストールすることができます。
コマンドの入力は、コマンドプロンプトあるいはターミナルから行います。
pip install reportlab
動作確認として、試しに以下を入力します。
from reportlab.pdfgen import canvas
上記を入力してもエラーが発生しなければ、正常にインストールされています。
PDFの指定位置に円・楕円を描画する
円の描画
「reportlab.pdfgen」クラスのcanvas.Canvas()で用意したPDFに対して、circle()関数を使用することで、指定位置に円を挿入することができます。
circle()の引数には、PDFの左下を原点として、「円の中心のX座標」、「円の中心のY座標」、「円の半径」の順番で指定します。
上記メソッドを使用して、PDFの指定位置に円を描画してみます。
#input
from reportlab.pdfgen import canvas
from reportlab.lib.pagesizes import A4, portrait, landscape
from reportlab.lib.units import mm
import os
# A4(横)の新規PDFファイルを作成
p = canvas.Canvas("sample.pdf", pagesize=landscape(A4))
# 線の色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setStrokeColorRGB(1, 0, 0)
# 円挿入位置・半径の指定
x_c = 150*mm
y_c = 100*mm
r = 50*mm
# 線の太さを指定
p.setLineWidth(3*mm)
# 円を描画する
p.circle(x_c, y_c, r)
# 保存
p.showPage()
p.save()
指定した位置に、線の太さ3mmの赤色の円を描画しました。
円の塗りつぶしの色の指定は、setFillColorRGB()メソッドを使用します。
また塗りつぶしを実行するには、circle()の第四引数として、「fill=True」を指定する必要があります。
試しに、上記円を塗りつぶしてみます。
#input
from reportlab.pdfgen import canvas
from reportlab.lib.pagesizes import A4, portrait, landscape
from reportlab.lib.units import mm
import os
# A4(横)の新規PDFファイルを作成
p = canvas.Canvas("sample.pdf", pagesize=landscape(A4))
# 線の色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setStrokeColorRGB(1, 0, 0)
# 円挿入位置・半径の指定
x_c = 150*mm
y_c = 100*mm
r = 50*mm
# 線の太さを指定
p.setLineWidth(3*mm)
# 塗りつぶしの色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setFillColorRGB(1, 0, 1)
# 円(塗りつぶし)を描画する
p.circle(x_c, y_c, r, fill=True)
# 保存
p.showPage()
p.save()
円が紫色で塗りつぶされました。
楕円の描画
「reportlab.pdfgen」クラスのcanvas.Canvas()で用意したPDFに対して、ellipse()関数を使用することで、指定位置に楕円を挿入することができます。
ellipse()の引数には、PDFの左下を原点として、「楕円を長方形で囲った時の長方形の左下のX座標」、「楕円を長方形で囲った時の長方形の左下のY座標」、「楕円を長方形で囲った時の長方形の右上のX座標」、「楕円を長方形で囲った時の長方形の右上のY座標」の順番で指定します。
上記メソッドを使用して、PDFの指定位置に楕円を描画してみます。
#input
from reportlab.pdfgen import canvas
from reportlab.lib.pagesizes import A4, portrait, landscape
from reportlab.lib.units import mm
import os
# A4(横)の新規PDFファイルを作成
p = canvas.Canvas("sample.pdf", pagesize=landscape(A4))
# 線の色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setStrokeColorRGB(1, 0, 0)
# 楕円挿入位置の指定
x1 = 50*mm
y1 = 50*mm
x2 = 250*mm
y2 = 150*mm
# 線の太さを指定
p.setLineWidth(3*mm)
# 楕円(塗りつぶし)を描画する
p.ellipse(x1, y1, x2, y2)
# 保存
p.showPage()
p.save()
指定した位置に、線の太さ3mmの赤色の楕円を描画しました。
楕円の塗りつぶしも、円の塗りつぶしと同様に実行することができます。
試しに、上記楕円を塗りつぶしてみます。
#input
from reportlab.pdfgen import canvas
from reportlab.lib.pagesizes import A4, portrait, landscape
from reportlab.lib.units import mm
import os
# A4(横)の新規PDFファイルを作成
p = canvas.Canvas("sample.pdf", pagesize=landscape(A4))
# 線の色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setStrokeColorRGB(1, 0, 0)
# 楕円挿入位置の指定
x1 = 50*mm
y1 = 50*mm
x2 = 250*mm
y2 = 150*mm
# 線の太さを指定
p.setLineWidth(3*mm)
# 塗りつぶしの色を指定(R:赤、G:緑、B:青の強さを0~1で指定)
p.setFillColorRGB(1, 0, 1)
# 楕円(塗りつぶし)を描画する
p.ellipse(x1, y1, x2, y2, fill=True)
# 保存
p.showPage()
p.save()
楕円が紫色で塗りつぶされました。
まとめ
この記事では、ReportLabを使用した、PDFの指定位置に円・楕円を描画する方法について、ご説明しました。
本記事を参考に、ぜひ試してみて下さい。
参考
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